2009年3月14日土曜日

ETC通行料1000円が景気刺激の特効薬か?

Car Watch ETC通行料土日祝日上限1000円の詳細を発表

 朝っぱらから、カー用品専門店に、見たことも無いような車の行列ができて、店に面している幹線道路の1車線を完全につぶしている。特売日か? それにしても、尋常じゃない数。

 それで思い出したのが件のニュース。確かに庶民感情としてはかなり魅力的。日本の端から端まで1000円で移動できるわけではないらしいが、これは割引きの範疇を著しく逸脱している。

 おまけに、ETC取り付けに補助金を出すという制度も、期間限定とはいえスタートしている。かつてない大盤振る舞いの様相だ。景気刺激策ではなく ETC の普及が主目的ではないかとさえ思える。

Car Watch 高速道路交流推進財団、ETC車載器の購入助成を3月12日から開始

Car Watch 首都高、ETC車載器とセットアップを0円とするキャンペーン

 いや、実際のところ、景気刺激策に乗じて、普及率が伸び悩んでいる ETC を一気に普及させようという腹だろう。

 良く考えて欲しい。高速道路は民営化されたとはいえ、道路自体は国から貸し出されている形になっており、通行料などの収入は建設費の返済にあてられている。今回の特別措置により通行料の大幅な減収が見込まれるが、これは即ち、建設費の返済が滞るということであり、結局のところ国の負担増、言い換えると税金という形で、巡りめぐって我々市民に跳ね返ってくるのではないだろうか?

 ETC 普及キャンペーンにしても、どうも胡散臭い。ETC の権利ビジネスで潤っている会社は、国交省(旧建設省)の天下り役人の受け皿となっているというもっぱらの噂だ。座っているだけで、ETC が一台売れるごとにマージンが入るらしい。そして、しばらく座ったら、退職金をたんまりもらって次の天下り先へ、という寸法だ。

 そもそも、キャンペーン値下げの原資はどこから調達してるのかが不明だ。まあ、国から補助金が入っていると考えるのが妥当だろうが、もしそうであれば、それはもともとは我々の血税である。我々は、天下り官僚を潤すために税金をせっせと払っているわけではない。

 目先のおいしそうなエサに食いつく前に、その裏側を少しでいいから考えてみよう。