2008年2月19日火曜日

MIAUシンポジウム「ダビング10について考える」を開催

シンポジウム「ダビング10について」のご報告
http://miau.jp/1200619927.phtml

 こういう話題は水物なので、その瞬間に取り上げないと鮮度が落ちる。なので、ひと月以上も経過して取り上げるにはかなり勇気が必要だ。いや、なんて事はない。記事を書く時間が持てなかっただけだ。時間がなかっただけで、書きたいことがなくなったわけではない。

 シンポジウムは YouTube で拝見したが、発表者の中ですさまじい破壊力を披露した池田信夫先生の主張がこの問題に対する解決策の結論だろう。つまりは、「そもそも B-CAS は独占禁止法違反なので、即刻廃止すべし」だ。

 「著作権保護だ」「違法コピーが著作権者に甚大な被害を与えている」
 「根拠のない被害数字だ」「デジタル放送のコピーは一回限りだ」
 「それでは消費者の利便性が失われる」「では10回ならいいだろう」「それはダメだ」

と、延々と貴重な時間(と国税)を浪費してなお、落としどころが確定しない。省庁の審議官でなくとも何をしているのかと言いたくなる。だが、問題の本質はそんなところではなく、そもそも無料放送に CAS がついていること自体がおかしいのだ、という池田先生の主張だ。

 氏のブログにある「地上デジタル放送FAQ」に詳しい経緯が記されているが、これに目を通すと、デジタル放送開始の決定は中央省庁の適当な御都合主義の産物であり、なんら十分な議論がなされていない状態で見切り発車した事がよく分かる。そればかりか、場当たり的な政策で無駄な税金を垂れ流してきた経緯が明らかとなっている。

 もっとも驚くべきは、B-CAS がいつのまにか勝手に地上デジタル放送に組み込まれている事実である。放送法に詳しいわけではないが、国会審議も通さずにこのような重要な仕組がさも当り前のように組み込まれている事自体が違法ではないのだろうか?

 B-CAS そのものの出生も怪しさ満載である。ペーパーカンパニーがすべての権利を握っているなどと、何がどうしたらそういう芸当が可能であるのか、頭の悪い自分にはさっぱり理解できない。このあたりは、道路公団と ETC 関連会社との関係に非常に良く似た悪臭がただよっている。問題が起きればさっさとつぶして何食わぬ顔をするつもりなんだろう。ただの天下り先で、勤務実態も無いのに退職金だけはたんまりぶん取っていくという、いつものアレだ。

 いつから、この日本は、このような魑魅魍魎がウヨウヨする妙な国になってしまったのだろうか? いや、もともとそういう国なんだろう。これじゃ、若い世代が将来に夢も希望も持てなくて当然である。利権の甘い汁を吸いつづけている、社会的寄生虫はさっさと駆除しなければならない。