2009年6月26日金曜日

asahi.com(朝日新聞社):宇宙放射線が増加、太陽の活動低調で磁場弱まる - サイエンス

asahi.com(朝日新聞社):宇宙放射線が増加、太陽の活動低調で磁場弱まる - サイエンス

 以前取り上げた宇宙天気に関する記事を見つけた。放射線は主に太陽から届くものがほとんどという解釈だったが、間違いだったようだ。

 記事によると、太陽の活動状況は100年ぶりの低水準となっており、宇宙から降り注ぐ放射線を防ぐ力が弱まっているらしい。地球の地磁気が太陽風を遮っているように、太陽の磁場が宇宙からの放射線を防いでいるが、活動の低下によりその磁場が弱まっているということだ。地球にも地磁気があるが、太陽のそれと比べれば規模がぜんぜん違うので、放射線を防ぐ効果は微々たるものなのかもしれない。

 太陽黒点の活動周期が約11年であることは良く知られているが、100年単位で活動水準が変動するとは初耳だった。まだまだ研究途上であろうが、太陽は謎に満ちた魅力的な天体である。

2009年6月21日日曜日

asahi.com(朝日新聞社):厄介ものの火山灰シラス、資源化に道 しかも無尽蔵 - 環境

asahi.com(朝日新聞社):厄介ものの火山灰シラス、資源化に道 しかも無尽蔵 - 環境

 鹿児島や宮崎の南部に住んでいなければ、同じ九州内でも、シラスについてはあまり知られていないのではないだろうか? 記事中でも紹介されているが、姶良カルデラが形成されることになった火山の大爆発によって、吹き飛ばされた噴出物が堆積したものがシラスである。(現在の錦江湾は、その火山噴火によって吹き飛んだ部分に海水が入り込んで出来た湾である)

 シラスは、珪素を主成分とした砂状の物質で、水はけが良すぎる性質を持ち、保水力が必要な農業用地には不向きだとされる。また、錦江湾に接する陸地には切り立った崖を形成している部分があり、その上にシラスが堆積しているので、大雨のなどに見舞われると水を含んで軟弱化したシラスが一気に崩れ落ち、大規模ながけ崩れを起こすことが多々ある。

 これは、鹿児島市内においても見られ、過去には、市内の至る所で大雨によるがけ崩れが発生し人的な被害も出ている。このようなシラスにまつわる事情が、「厄介者」と表現されているゆえんである。

 過去にも、様々なシラス有効利用化が試されていると思うが、実用化のメドがたっているのは少ないのではないだろうか? 北国の融雪剤としてシラスを使う話などあったが、その後商品化されたという話は聞いていない。このシラスバルーンが、本格的に事業化できれば、ほぼ無尽蔵といえるシラスを有効活用できる道が開け、地元に迷惑をかけた罪滅ぼしができるという格好になるだろう。大いに期待したい。

2009年6月18日木曜日

MIAU、ダウンロード違法化に「強い遺憾の意」 - ITmedia News

MIAU、ダウンロード違法化に「強い遺憾の意」 - ITmedia News

 ダウンロード違法化改正案に対するパブリックコメント募集に、あれこれ自分の言葉で「それはおかしい」と訴えたつもりだったが、事実関係だけを並べれば、「制度があるから仕方なくやってるけど、ぶっちゃけパブリックコメントなんてどうでもいいんだよね」という、文化庁の考え方が浮き彫りになった形だ。

 はじめから結論ありき。国会での議論も議論になっていない。門外漢で専門的なことが分からなければ専門家に聞けばいい。有識者会議とは名ばかりで、利権団体に有利なメンバーで固められている。一般国民の代弁者はほとんどいない。いや、居たが、意見は「少数意見」として黙殺される。これが法治国家のすることか。

 「ならば、お前は違法に配信されているコンテンツを、見逃せというのか?」という、論点のずれた突っ込みはもう飽きた。パブリックコメントをよく読んだのか? 違法配信コンテンツがいけないことぐらい百も承知だ。問題なのはその手法だ。技術的な観点で問題だらけなんだ。そこを丁寧に突っ込んであげたはずなのだが、理解する頭が無いと思える。官僚は頭がいいのじゃないのか?

 しかも、相当数集まったパブリックコメントに対して、「少数意見」ときたものだ。あえて言うが、少数意見とはあなた達の事だ。間違えるな。

2009年6月15日月曜日

宇宙天気とは何か? (3/3)

 磁気嵐が起こると、地球にどのような現象が起こるだろうか? 良く知られている現象としてオーロラが挙げられる。私も肉眼で見たことはないが、その幻想的な現象は多くの人々を魅惑してきた。

 オーロラの正体は、太陽風(プラズマガス)が、北極や南極の上空から降り注ぎ、大気の分子と衝突した際に発光する現象だ。つまり、オーロラ現象を観測することで、太陽の活動の様子を間接的に把握することができる。フレアによって噴出したプラズマガスは、早ければ2~3日で地球に到達するそうで、オーロラの発生予測がある程度立つそうだ。

 また、強い磁気嵐が発生すると、電波障害が発生したり人工衛星の故障を招いたりするので、太陽活動観測の重要性は、ますます高まってきていると言える。

 このように、太陽に起因する地球周囲の宇宙空間の環境変化を予測し、諸問題の回避に役立てようという研究がなされている。地上の大気の状況を予測する「天気予報」のように、宇宙の状態を予測する「宇宙天気予報」というわけだ。

 宇宙天気の研究のため、世界各地に設置された観測装置から送られてくるデータを分析するシステムが構築されており、MAGDAS(マグダス)と呼ばれているそうだ。未来の宇宙天気予報士という設定の、「マグダスちゃん」というマスコットキャラクターも作られている。近い将来、本物の「マグダスちゃん」が、テレビのニュース番組で「明日の宇宙天気」を解説してくれているかもしれない。

■九州大学宙空環境研究センター
http://www.serc.kyushu-u.ac.jp/

2009年6月14日日曜日

宇宙天気とは何か? (2/3)

 では、太陽からの放射線や太陽風(プラズマガス)は、地球にどのような影響を与えるのだろうか?

 放射線は、宇宙空間で活動している各種人工衛星や宇宙ステーション、それに宇宙飛行士に直接影響を及ぼす。原子力発電所などで、放射線暴露の危険性がある作業従事者は、放射線量を測定する機械を携帯し規定値以上の放射線に暴露しないように管理される。

 宇宙空間で活動する宇宙飛行士も、宇宙空間から(特に太陽から届くものが強いと思われる)放射線を受け続けている。もちろん地上のように退避する場所はない。宇宙ステーションには、強い放射線対策として避難ルームのようなものがあると聞いたことがあるが、実際にはほとんど役に立たないそうだ。

 増しては、船外活動をしている宇宙飛行士の宇宙服は無防備に近い。地上で1年間に自然界から受ける射線量を、ほんの数分で暴露してしまうこともあるそうだ。そういう意味でも、宇宙飛行士は命がけでミッションをこなしていると言えるだろう。

 太陽風は、地球の地磁気に影響を与える。太陽風はプラズマガスで、帯電した粒子と考えてよい。これが、地球の地磁気にぶつかると起電力が発生する。これが地磁気に影響を与え磁気嵐を惹き起こすそうだ。

2009年6月13日土曜日

宇宙天気とは何か? (1/3)

 先日、小学生向けのイベントに同行し、九州大学宙空環境研究センターの湯元教授の講義を聴く機会があった。具体的な講義内容を知らないまま(半ば勝手に同行し)参加したが、小学生向けということもあって専門用語をなるだけ使わないように配慮されており、門外漢の自分にも分かりやすい内容だった。

 宇宙といえば、真空で何も存在せず、冷たく暗い空間であるというイメージが一般的だろう。しかし、地球の周囲について目を向けると、地球からわずか1億5千万キロの距離に位置する太陽が主役となる。その活動の状態によって、地球周囲の宇宙空間の情況は刻々とダイナミックに変化しているそうだ。

 太陽が、単なる燃え盛る火の玉ではない事ぐらいは、一般常識のうちだろう。しかし、太陽観測技術の進歩によって、相当に複雑な様相を呈していることが分かってきているらしい。

 フレアと呼ばれる現象がある。太陽の表面で発生する大規模な爆発現象である。フレアが発生すると、強い放射線が発生する。これは、早ければ発生から1時間で地球に到達するそうだ。光速度が秒速30万キロであることを考えると相当な速度だ。

※地球に届く太陽の光は、約499秒前(8分19秒前)に太陽から出発したものになる。つまり、今あなたが見ている太陽は8分前の姿である。

 フレアは、同時に太陽のコロナと呼ばれるプラズマガスを吹き飛ばす。宇宙空間に放たれたプラズマガスは太陽風と呼ばれ、時にはそよ風とはいえないほど激しく吹き荒れているという。

 つまり、地球は、冷たく暗い空間にぽっかりと浮かんでいるのではなく、荒れ狂う荒波の真っ只中にあると言ってもおかしくない。

ゲームの体感系コントローラー競争はきっと盛り上がらない デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS

ゲームの体感系コントローラー競争はきっと盛り上がらない デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS

 Wii が、コアなゲームプレイヤー以外の、いわゆる「普段ゲームをしない人」を取り込めた理由のひとつに、リモコンコントローラーが挙げられる。が、だからといって体感型コントローラーを導入すれば「普段ゲームをしない人」を取り込めるわけではない。

 Wii のローンチタイトルに「Wii Sports」があった。新しい入力デバイスの操作に慣れてもらうためという触れ込みで、リモコンコントローラー同梱パッケージだった。(要するに2プレイヤー用リモコンにソフト付きということ)
内容はタイトルのとおり、スポーツを題材にしたもので、特に何か新しい遊びができるわけではない。しかし、スポーツゲームというお題にすることで、プレイヤーが遊び方を想像しやすく、かつ、操作に慣れやすいという利点を最大限に生かしたタイトルだった。

 Wii チャンネルという仕掛けも功を奏した。極論すると、ゲームソフトを買ってこなくても、Wii チャンネルだけでも遊ぶことが可能だ。インターネット接続環境が必須となるが、初めからニュースチャンネル、お天気チャンネルなどがプリセットされており、毎日のように電源を入れて利用するというゲーム機の新しいスタイルを提案した。

 これら、様々な「間口を広げる」戦略が、積みあがって達成できたのが、今の Wii 帝国である。コントローラーをどうこうすれば、何とかなる様なものではない。ハードウエアとソフトウエアで、ユーザーにどのような体験を提供するのかが明確で、かつ、それを実現するための仕組みが出来上がって、初めて、新規ユーザの獲得が達成できる。

 それは、筆者が指摘する通り、Wii にも課せられた課題でもある。