2009年6月13日土曜日

宇宙天気とは何か? (1/3)

 先日、小学生向けのイベントに同行し、九州大学宙空環境研究センターの湯元教授の講義を聴く機会があった。具体的な講義内容を知らないまま(半ば勝手に同行し)参加したが、小学生向けということもあって専門用語をなるだけ使わないように配慮されており、門外漢の自分にも分かりやすい内容だった。

 宇宙といえば、真空で何も存在せず、冷たく暗い空間であるというイメージが一般的だろう。しかし、地球の周囲について目を向けると、地球からわずか1億5千万キロの距離に位置する太陽が主役となる。その活動の状態によって、地球周囲の宇宙空間の情況は刻々とダイナミックに変化しているそうだ。

 太陽が、単なる燃え盛る火の玉ではない事ぐらいは、一般常識のうちだろう。しかし、太陽観測技術の進歩によって、相当に複雑な様相を呈していることが分かってきているらしい。

 フレアと呼ばれる現象がある。太陽の表面で発生する大規模な爆発現象である。フレアが発生すると、強い放射線が発生する。これは、早ければ発生から1時間で地球に到達するそうだ。光速度が秒速30万キロであることを考えると相当な速度だ。

※地球に届く太陽の光は、約499秒前(8分19秒前)に太陽から出発したものになる。つまり、今あなたが見ている太陽は8分前の姿である。

 フレアは、同時に太陽のコロナと呼ばれるプラズマガスを吹き飛ばす。宇宙空間に放たれたプラズマガスは太陽風と呼ばれ、時にはそよ風とはいえないほど激しく吹き荒れているという。

 つまり、地球は、冷たく暗い空間にぽっかりと浮かんでいるのではなく、荒れ狂う荒波の真っ只中にあると言ってもおかしくない。