2009年6月15日月曜日

宇宙天気とは何か? (3/3)

 磁気嵐が起こると、地球にどのような現象が起こるだろうか? 良く知られている現象としてオーロラが挙げられる。私も肉眼で見たことはないが、その幻想的な現象は多くの人々を魅惑してきた。

 オーロラの正体は、太陽風(プラズマガス)が、北極や南極の上空から降り注ぎ、大気の分子と衝突した際に発光する現象だ。つまり、オーロラ現象を観測することで、太陽の活動の様子を間接的に把握することができる。フレアによって噴出したプラズマガスは、早ければ2~3日で地球に到達するそうで、オーロラの発生予測がある程度立つそうだ。

 また、強い磁気嵐が発生すると、電波障害が発生したり人工衛星の故障を招いたりするので、太陽活動観測の重要性は、ますます高まってきていると言える。

 このように、太陽に起因する地球周囲の宇宙空間の環境変化を予測し、諸問題の回避に役立てようという研究がなされている。地上の大気の状況を予測する「天気予報」のように、宇宙の状態を予測する「宇宙天気予報」というわけだ。

 宇宙天気の研究のため、世界各地に設置された観測装置から送られてくるデータを分析するシステムが構築されており、MAGDAS(マグダス)と呼ばれているそうだ。未来の宇宙天気予報士という設定の、「マグダスちゃん」というマスコットキャラクターも作られている。近い将来、本物の「マグダスちゃん」が、テレビのニュース番組で「明日の宇宙天気」を解説してくれているかもしれない。

■九州大学宙空環境研究センター
http://www.serc.kyushu-u.ac.jp/