NHK、月探査機「かぐや」のハイビジョン映像を公開
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080507/nhk.htm
月周回衛星「かぐや(SELENE)」に搭載された、NHK 謹製ハイビジョンカメラで撮影された高画質映像について、広く一般に公開されている状態ではないと、ネット上のあちこちで批判されていたのは、ご存知のとおり。
MIAU も、公開質問状という形で NHK に疑問を投げかけており、それに対する回答を NHK から既に得ているのも、ご存知のとおり。
・「かぐや」ハイビジョン映像公開に関する質問状の送付について
・NHKより質問状へのご回答をいただきました
NHK の回答には、「高画質のストリーミングを行うデータ転送容量がない」とあったが、突然の公開となった。MIAU の公開質問状が、どれだけ影響したのか知る由も無いが、少なくとも、NHK が公開方針を転換するきっかけにはなったのだろう。
これまで、携帯ゲーム機向けかと勘違いするほどに小さなサイズの映像しか公開されていなかったことを考えると、格段の進歩である。最初からこれをやってくれていたら、ネット上でブーイングの嵐も吹き荒れなかっただろう。
ただ、惜しいのは、オリジナル映像が 1920x1080 のいわゆるフルハイビジョン仕様であるところを、公開されている映像が 1280x720 である点だ。これでも、一応ハイビジョンの範疇に入るらしいので、とりあえずは良しとするが、最終的にはオリジナル映像の配信をお願いしたいところではある。どうか、その点、よろしく。> NHK さま、JAXA さま
2008年5月8日木曜日
NHK が、「かぐや」のハイビジョン映像を公開
2008年5月6日火曜日
iPodに「著作権料」上乗せ
iPodに「著作権料」上乗せ 文化庁提案へ
http://www.asahi.com/culture/update/0505/TKY200805050202.html
文化庁が提案したのではなくて、権利者団体の圧力で動かされてるだけだろう。私的録音録画補償金制度の意義はある程度認めるが、新製品が出るたびに適用範囲を拡大していく姿勢には全く賛同できない。
例えば、iTunes Store でしかコンテンツを買わないユーザがいたとして、彼らからも有無を言わさず保証金を巻き上げる事になるが、それは正しいのか?
例えば、買ってきたパッケージ CD をデジタルオーディオ機器に落としたとして、iPod に限らずそれを保証金の対象にするならば、著作権使用料の二重取りにならないのか? 自分の買ったコンテンツを、自分の買ったデバイスに落とすだけで課金されるのは、一般的な消費者感情として極めて不自然と感じざるをえない。
では、レンタル CD をリッピングしてデジタルオーディオ機器に落とす消費者は、著作権使用料を払い逃げしてるのか? ここによると、レンタル店から、レンタル回数に応じた著作権使用料が権利者に支払われているとある。この著作権使用料はレンタル代金に上乗せされ、実質的には消費者が支払っていると解釈できるが、ここでも二重取りの問題が浮かび上がる。
リッピングが横行して、CD の売り上げが落ちているから、その保証ため? その根拠となる調査はどこがいつ発表した? 信頼のおける第三者機関なのか?
CD の売り上げが落ちている原因としては、様々な点が指摘されている。
・そもそも、ヒット作不在
・娯楽の多様化で、可処分所得がほかに流れている
などだ。
コンテンツで真っ向勝負するどころか、消費者から怪しい名目で小銭を巻き上げる構造は、詐欺に近いものがある。本当に著作権者(コンテンツホルダーではない)が困窮して商売ができなくなるなら、消費者にもコンテンツが届かなくなる。そんなことは消費者も分かっている。本当にカネを出す価値のあるものには、惜しみなく対価を払うだろう。正体不明の怪しい団体が間に入ってもらわなくても、全然困らない。むしろ、必要ない。
ゲーム業界には、私的録音録画補償金制度なんてない。コピー防止対策を充分に取っていることもあるから一概に比較できないが、コンテンツのみで勝負している厳しい業界だ。(コピー防止に巨額を投じているので、相当な自助努力をしている事には間違いない)
国をバックにつけて、コソコソ小銭を集めてないで、少しは見習ったらどうだ? 「ダビング10拒否」が秘策だ? 拒否したらいい。消費者不在で、メーカーと延々と喧嘩してろ。いつまでたってもおいしい実はならない。それで一番困るのは自分達だ。音楽も映画も生活必需品じゃないことを忘れるな。
ラベル: iPod
2008年5月4日日曜日
インフルエンザ・パンデミックの予兆
まず始めに、この記事はいたずらに不安をあおるつもりで書いているわけではない。その点をご理解の上、読み進めて欲しい。
最近、新型鳥インフルエンザ関係の記事を良く見かけるようになったが、新聞などの記事を読み進めると、意外と信号が黄色になりかけている情況ではないかと感じた。
新型インフルエンザ:鳥インフルワクチン、1000万人事前接種へ
http://mainichi.jp/select/science/news/20080415dde001040044000c.html
このニュースが異様なのは、新薬の認可が諸外国に比べて遅いと批判されがちな厚生労働省が、プレパンデミックワクチンを臨床試験として6000人に接種するというのだ。ちょっと考えられない事態だ。かなりあわてているように思える。それほどまでに、インフルエンザ・パンデミックが近づいているということなのだろうか?
また、国立感染症研究所感染症情報センターのページにある、WHO 報告による鳥インフルエンザ感染者数推移をみる限りでは、徐々に増加傾向にあると言えるだろう。
WHOに報告されたヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例数
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/case200800/case080430.html
感染症の流行について詳しいわけではないが、このような数値は、指数関数的な推移を示すのではないだろうか? 数値が小さいうちは変動も小さいが、ある時点を境に爆発的な増加に転ずる。
今朝の某地方紙に、鳥インフルエンザが流行した場合、市民の通勤通学などの外出を規制した場合とそうでない場合の、感染拡大のシミュレーション結果が発表されたという記事が掲載された。外出し人ごみに入れば、それだけ感染拡大リスクが増大するということだ。
記事にあった、感染拡大予想図(地図上の感染者拡大の様子)を見たとき、正直鳥肌がたった。不謹慎かもしれないが、映画「アウトブレイク」を思い出した。地方都市に突然出現した、未知のウイルスに立ち向かう軍医を描いた映画だ。国防省が感染拡大予想シミュレーションを行うが、またたくまに地図上を赤い丸がおおうというシーンがあった。それを思い出した。
「アウトブレイク」は娯楽映画だが、もし、エボラ出血熱(劇中では、その亜種という設定になっている)が全米で大流行したら、というシミュレーションでもある。この映画の場合、突然ウイルスを持ち込まれては拡散を防ぎようがないという描写だったが、鳥インフルエンザの場合、まだ対策を講じる時間が残されているだろう。政府は、一切の情報を隠蔽することなく広く国民に開示し、粛々とウイルス対策を進めていって欲しい。
ラベル: サイエンス