2008年5月4日日曜日

インフルエンザ・パンデミックの予兆

 まず始めに、この記事はいたずらに不安をあおるつもりで書いているわけではない。その点をご理解の上、読み進めて欲しい。

 最近、新型鳥インフルエンザ関係の記事を良く見かけるようになったが、新聞などの記事を読み進めると、意外と信号が黄色になりかけている情況ではないかと感じた。

新型インフルエンザ:鳥インフルワクチン、1000万人事前接種へ
http://mainichi.jp/select/science/news/20080415dde001040044000c.html

 このニュースが異様なのは、新薬の認可が諸外国に比べて遅いと批判されがちな厚生労働省が、プレパンデミックワクチンを臨床試験として6000人に接種するというのだ。ちょっと考えられない事態だ。かなりあわてているように思える。それほどまでに、インフルエンザ・パンデミックが近づいているということなのだろうか?

 また、国立感染症研究所感染症情報センターのページにある、WHO 報告による鳥インフルエンザ感染者数推移をみる限りでは、徐々に増加傾向にあると言えるだろう。

WHOに報告されたヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例数
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/case200800/case080430.html

 感染症の流行について詳しいわけではないが、このような数値は、指数関数的な推移を示すのではないだろうか? 数値が小さいうちは変動も小さいが、ある時点を境に爆発的な増加に転ずる。

 今朝の某地方紙に、鳥インフルエンザが流行した場合、市民の通勤通学などの外出を規制した場合とそうでない場合の、感染拡大のシミュレーション結果が発表されたという記事が掲載された。外出し人ごみに入れば、それだけ感染拡大リスクが増大するということだ。

 記事にあった、感染拡大予想図(地図上の感染者拡大の様子)を見たとき、正直鳥肌がたった。不謹慎かもしれないが、映画「アウトブレイク」を思い出した。地方都市に突然出現した、未知のウイルスに立ち向かう軍医を描いた映画だ。国防省が感染拡大予想シミュレーションを行うが、またたくまに地図上を赤い丸がおおうというシーンがあった。それを思い出した。

 「アウトブレイク」は娯楽映画だが、もし、エボラ出血熱(劇中では、その亜種という設定になっている)が全米で大流行したら、というシミュレーションでもある。この映画の場合、突然ウイルスを持ち込まれては拡散を防ぎようがないという描写だったが、鳥インフルエンザの場合、まだ対策を講じる時間が残されているだろう。政府は、一切の情報を隠蔽することなく広く国民に開示し、粛々とウイルス対策を進めていって欲しい。