2007年12月27日木曜日

MIAUが、シンポジウム「ダウンロード違法化の是非を問う」を開催

「『ダウンロード違法化』阻止、まだチャンスある」――MIAUがシンポジウム
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/27/news032.html

Ustream.TV 中継で拝見した。
こちら側の通信環境のせいだとは思うが、映像、音声ともに品質がいまひとつで、主観で 20% ぐらいしか伝わってなかった。もちろん、中継してくれた MIAU に対して文句を言う気は更々無い。地方在住の人間としては、むしろ感謝したいぐらいだ。

# むしろ、チャットウインドウをくだらないテキストで埋め尽くして中継を妨害していたのは自分だ。反省している。

さて、方々のブログで取り上げられているので、詳しくはそちらをご覧いただくとして、ここでは、自分のために要点まとめをする。間違いや勘違いがあれば、ご指摘いただきたい。

■ 文化庁・文化審議会著作権分科会の私的録音録画小委員会でまとまった方向性

パブリックコメントで多くの反対意見が集まったにも関わらず、「違法サイトからのダウンロードを違法」とするという方針が打ち出された。

■ MIAU の言い分
さまざまな問題点を指摘しているが、要するに「それを違法とする事によって、ユーザー(消費者)が甚大な不利益をこうむる可能性が非常に高い」ということ。

■ 権利者保護のために風呂敷広げすぎじゃないか?
違法ダウンロードが一部の権利者の利益を損なっているからといって、このようなどうにでも解釈できる法律が成立してしまっては、利用者保護の観点からいって問題が大きすぎる。我が国における、インターネットサービス事業の発展を阻害する弊害も考えられる。

■ 権利者は充分に権利を行使していない
権利者側は、現在の法律の枠内であっても、違法アップロードに対して「公衆送信権」「送信可能化権」の侵害として告訴が可能なのに、その権利をほとんど行使していない。
にもかかわらず、「まだ足りない」と「ダウンロード」までも規制しようとしている。

「適法マーク」のアイデアは、全くもって実効性に欠ける。

(自分の楽曲を自分のサイトにアップロードしている個人がいるとして、「適法マーク」のついていないこのサイトからのダウンロードが違法かどうかユーザーは判断できない。できるわけがない。そもそも、海外サイトはどう対応するつもりなんだ? ← ここ自分感想)

■ 本当に権利者に経済的被害があるのか?
ある経済誌に掲載された論文によると、「ファイル共有ソフトによって違法に流通しているコンテンツによる被害(損失)」と「それを目にした消費者のコンテンツ購入動機となったことによる利益(便益)」は、ほぼ同じである。これに、「権利者の被害にならずに消費者にとって有益となる事象(効用)」を加味すると、結果として、全体的にプラスである。

政府は、特定の業者を保護するためにあるもではない。社会全体の利益を考えるべき。(← ここ激しく同意)

■ ソフトウエアからみたダウンロード規制の困難さ
そもそも「ストリーミング」と「ダウンロード」の区別はつかない。案で「適法」とされている「ストリーミング」も、すぐに「違法」扱いになる可能性が高い。

「録音・録画物に限る」という制限も無意味。デジタルデータを解釈するのは人間。データ的にはただのビットストリームにしかすぎない。(どうやって区別するんだ? 理由を聞かせてくれ)

「情を知って」は、証明不可能。あいまいすぎる表現で拡大解釈の危険性あり。

■ その他
そもそも「完全なDRMなんて存在しない」
そもそも「神社の管理省庁にすぎない文化庁が著作権を扱うようになったのが間違い」
そもそも「神社の管理省庁にすぎない文化庁に、外圧によってソフトウエア著作権がらみの権力を与えてしまったのが間違い」
そもそも「すべてのコンテンツが IP に乗っかる、という潮流の真逆をいっているのが文化庁」
そもそも「文化庁は、お荷物省庁」
そもそも「『違法コピーのダウンロードは違法』は、分かりやすいが、その本質は特定業者保護でしかない」
そもそも「国に保護してもらわないと維持できないような業界は、早々に市場から退場してもらいたい」(← ここ自分本音)


ターゲットは権利者じゃなくて文化庁?