2008年5月25日日曜日

FLAME は本当に世界最高水準のロボットか?

より自然な歩行が可能なロボットが登場
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/23/news117.html

ホベレン氏は歩行ロボットとしては世界最高水準と述べている。

 ちょ、ちょっと待ってくれ。ASIMO の存在を知らないわけではあるまい。何をもってして「世界最高水準」と断言できるのか?

人間の歩行の複雑な動きを「前のめりに倒れる」というモデルを用いることで、滑らかで効率的にまねできる

 ASIMO は、1990年代初頭には、既に「動歩行」についての基本技術を確立している。何を今更…。いや、まてよ、動画を見てみないことには判断できない。きっと、ASIMO より数段上を行く滑らかさなのだ。

 あっさりと動画が見つかったが、2007年のものらしい。



 ううむ。申し訳ないが、どう大目に見ても操り人形レベルだ。それとも、今年に入って劇的な進化を遂げたとでも言うのか? 謎が多すぎる。

 ASIMO が、目の前で「その場方向転換」をやってのけたときに、鳥肌が立ったのを今でも覚えている。日本の、いや、ホンダのロボット制御技術は間違いなく世界最高レベルだ。

 ASIMO の開発史については、こちら。
http://www.honda.co.jp/factbook/robot/asimo/200011/index.html

2008年5月20日火曜日

“iPod課金”は「突然蒸し返された」わけではない

“iPod課金”は「突然蒸し返された」わけではない
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/19/news100.html

 …かもしれないけど、文化庁の提案は”突然”に感じられるのはなぜ?
結果的に蒸し返されたように捉えられているのはなぜ?

 俳優ジョニー・デップが映画の宣伝で来日した際に、日本の報道陣が「日本のファンに一言下さい」とたずねたところ、

 「ファン? 僕ら(監督ティム・バートンも同席)にはふさわしくない言葉だ。
  映画を見てくれる人がいるから、僕らはご飯を食べる事ができるんだ。
  だから、僕らにとっては、ファンではなくてボスだ」

と答えた。

 いくら文化が云々と言おうが、著作権者が被害を被っていると言おうが、結局は消費するものが満足しないと市場として成り立たないということだ。(ジョニー・デップの発言が、最上級のリップサービスだったとしても、その何割かは本心であると確信する)

 さて、MIAU が、これらの件に関するアンケート調査を行っている。茶番とも言える、権利者とメーカーのゴタゴタに一言いわなければ、とお考えのあなた。是非どうぞ。

ダビング10と私的録音録画補償金に関するアンケート
http://miau.jp/1211089745.phtml

2008年5月17日土曜日

[ IT ] ニュースクリップ

住友電工がオフィスソフトにOpenOffice.orgを採用
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0805/12/news092.html

 某社オフィススイーツの代替品として、充分業務に使用可能であることを裏付けることになる。事実、自分の勤務先でも、OpenOffice で問題なく業務が行えている。無論、導入を推進したのは、ほかの誰でもない自分自身だが…。

 社外に資料を渡すときに、「エクセルで」とか「ワードで」とか指定があれば、その形式で書き出せば済む。先方が OpenOffice を導入していない場合は、PDF で出力すればよい。OpenOffice は、どのドキュメントも PDF 出力が可能だ。しかも、アイコンワンクリックで終了。これでフリーソフトだから、文句はあるまい。

 ただ、マクロ機能については、完全互換ではないので注意が必要。Visual Basic でガチガチに書かれたものでなければ、問題にはならないだろう。


「アイワ」終了 ソニー、製品出荷を完了
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/14/news100.html

 さらば、アイワ。
 ソニーのウォークマンが、もちろんカセットテープのやつだが、買えない貧乏人は、アイワのカセットボーイに走ったものだ。が、そのアイワもいつのまにかソニーの傘下に入っていた。(もともと傘下だったのかもしれない)

 一流品のソニー製品、二流品のアイワ製品というランク付けが、一般的な認知だったと記憶する。しかし、最近のソニー製品は一流とは言えない。昔のアイワランクだ。だいぶん持ち直してきたようだが、モノ作りの原点に立ち返って一流品に返り咲いて欲しい。


「ダビング10」延期問題、「メーカーの主張が分からない」とJASRAC菅原常務理事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/14/news108.html

「ダビング10」延期濃厚 Dpa「対応を協議中」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/14/news062.html

ダビング10「日時確定できないのが共通認識」、Dpaが状況報告
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/15/news030.html

 誰も望んでいないのであれば無理に開始する必要もないだろう。禍根を残すのであれば、やらない方がまし。そもそも、デジタル放送なんか、国民は喜んでいない。みんながフルハイビジョン映像を求めているわけじゃないことに、いい加減に気づけば?


楽天ブログに書けない“NGワード”
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/14/news079.html

 個人的な怨恨で、楽天は、自分の中で「下の下」ランク。全てにおいて気にくわない。ブログにNGワードって、言論統制ではないか。例の青環法がらみで先手を打ったつもりだろうが、そんな付け焼刃な対応で何が解決するというのか。やはり、自分ランキングでは「下の下」だ。


たばこ屋さん、店じまい続出 「タスポ」の負担ずしり
http://www.asahi.com/national/update/0512/TKY200805120172.html


 最初に言っておくと、自分は非喫煙者なので、こんなニュースはどうでもいいというスタンスだが、どうもこう、納得がいかないことがある。

 こうなる事は事前に分かっていたはずなのに、なぜこんな変なシステムを強行導入しなければならなかったのか? これも青環法にからむだろうが、未成年が自販機でタバコを買えてしまうのがいけない、というのがそもそものスタートラインだ。

 ならば、自販機を全部撤去して、タバコは原則対面販売にすればいいだけの話だ。そんな変なシステムを導入する意味なんか無い。そもそも、知り合いのカードを借りてくれば、簡単にシステムをだませるじゃないか。生体認証するわけではないだろ? 一応、それをするとルール違反らしいが、それを取り締まる法律でもあるのか? あったとして、罰則規定はあるのか? 穴だらけじゃないか。

 タバコ販売の許可制についてもちょっと変な話を聞いた事がある。タバコ販売の許可をとるのは、結構難しいらしいが、いったん取得すれば、どんどん更新できるらしい。しかも、家族で引継ぎができるので、例えば、許可をもらった親父が他界しても、子供が引き継げば大丈夫らしい。それって、許可制にする意味あるの?

 実家の近くに、文字通り「タバコ屋」と呼ばれる個人商店があった。自分が子供の頃には、そこの店主は既にかなりの高齢で、もう何十年も前に他界された。店主の子供はよそに出ているので、「タバコ屋」はつぶれたが、その跡地にプレハブが建って、そのカベにはタバコの自動販売機が並んでいる。きっと、そこの子供が「タバコ販売」を引き継いだんだろう。そこに住んでいないのにだ。おかしな制度だこと。

 話は、ズレたが、タスポだかポトスだか知らないが、特定の業者が甘い汁を吸うためのシステムであることは明らか。本来の目的とはかけ離れている。これは、デジタル放送の B-CAS と全く同じ構造だ。「官僚は頭はいいが成功体験から離れられない」と誰かが書いていた。本当にそうか?


ウイルス作成の大学院生に有罪判決 京都地裁
http://www.asahi.com/national/update/0516/OSK200805160039.html

 日本の法律では、ウイルス開発を罰する事ができないので、別件で有罪らしい。これもまたおかしな話。根本的な解決にはならない。このウイルスは、その他のウイルスと同様に、ハードドライブのファイルを勝手に消去するという動作をする。この時点で、器物損壊のような罪名が適用できるんじゃないか?

 あー、そうすると、正規のソフトウエア商品が、バグでファイル消去をした場合とで、どう区別できるのかという話が残るのか。「意図的に」という部分が立証できれば、それで充分だと思うのだが、ダメなのだろうか?

 以上、最近気になったニュース。

2008年5月8日木曜日

NHK が、「かぐや」のハイビジョン映像を公開

NHK、月探査機「かぐや」のハイビジョン映像を公開
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080507/nhk.htm

 月周回衛星「かぐや(SELENE)」に搭載された、NHK 謹製ハイビジョンカメラで撮影された高画質映像について、広く一般に公開されている状態ではないと、ネット上のあちこちで批判されていたのは、ご存知のとおり。

 MIAU も、公開質問状という形で NHK に疑問を投げかけており、それに対する回答を NHK から既に得ているのも、ご存知のとおり。

 ・「かぐや」ハイビジョン映像公開に関する質問状の送付について
 ・NHKより質問状へのご回答をいただきました

 NHK の回答には、「高画質のストリーミングを行うデータ転送容量がない」とあったが、突然の公開となった。MIAU の公開質問状が、どれだけ影響したのか知る由も無いが、少なくとも、NHK が公開方針を転換するきっかけにはなったのだろう。

 これまで、携帯ゲーム機向けかと勘違いするほどに小さなサイズの映像しか公開されていなかったことを考えると、格段の進歩である。最初からこれをやってくれていたら、ネット上でブーイングの嵐も吹き荒れなかっただろう。

 ただ、惜しいのは、オリジナル映像が 1920x1080 のいわゆるフルハイビジョン仕様であるところを、公開されている映像が 1280x720 である点だ。これでも、一応ハイビジョンの範疇に入るらしいので、とりあえずは良しとするが、最終的にはオリジナル映像の配信をお願いしたいところではある。どうか、その点、よろしく。> NHK さま、JAXA さま

2008年5月6日火曜日

iPodに「著作権料」上乗せ

iPodに「著作権料」上乗せ 文化庁提案へ
http://www.asahi.com/culture/update/0505/TKY200805050202.html

 文化庁が提案したのではなくて、権利者団体の圧力で動かされてるだけだろう。私的録音録画補償金制度の意義はある程度認めるが、新製品が出るたびに適用範囲を拡大していく姿勢には全く賛同できない。

 例えば、iTunes Store でしかコンテンツを買わないユーザがいたとして、彼らからも有無を言わさず保証金を巻き上げる事になるが、それは正しいのか?

 例えば、買ってきたパッケージ CD をデジタルオーディオ機器に落としたとして、iPod に限らずそれを保証金の対象にするならば、著作権使用料の二重取りにならないのか? 自分の買ったコンテンツを、自分の買ったデバイスに落とすだけで課金されるのは、一般的な消費者感情として極めて不自然と感じざるをえない。

 では、レンタル CD をリッピングしてデジタルオーディオ機器に落とす消費者は、著作権使用料を払い逃げしてるのか? ここによると、レンタル店から、レンタル回数に応じた著作権使用料が権利者に支払われているとある。この著作権使用料はレンタル代金に上乗せされ、実質的には消費者が支払っていると解釈できるが、ここでも二重取りの問題が浮かび上がる。

 リッピングが横行して、CD の売り上げが落ちているから、その保証ため? その根拠となる調査はどこがいつ発表した? 信頼のおける第三者機関なのか?

 CD の売り上げが落ちている原因としては、様々な点が指摘されている。

 ・そもそも、ヒット作不在
 ・娯楽の多様化で、可処分所得がほかに流れている

などだ。

 コンテンツで真っ向勝負するどころか、消費者から怪しい名目で小銭を巻き上げる構造は、詐欺に近いものがある。本当に著作権者(コンテンツホルダーではない)が困窮して商売ができなくなるなら、消費者にもコンテンツが届かなくなる。そんなことは消費者も分かっている。本当にカネを出す価値のあるものには、惜しみなく対価を払うだろう。正体不明の怪しい団体が間に入ってもらわなくても、全然困らない。むしろ、必要ない。

 ゲーム業界には、私的録音録画補償金制度なんてない。コピー防止対策を充分に取っていることもあるから一概に比較できないが、コンテンツのみで勝負している厳しい業界だ。(コピー防止に巨額を投じているので、相当な自助努力をしている事には間違いない)

 国をバックにつけて、コソコソ小銭を集めてないで、少しは見習ったらどうだ? 「ダビング10拒否」が秘策だ? 拒否したらいい。消費者不在で、メーカーと延々と喧嘩してろ。いつまでたってもおいしい実はならない。それで一番困るのは自分達だ。音楽も映画も生活必需品じゃないことを忘れるな。

2008年5月4日日曜日

インフルエンザ・パンデミックの予兆

 まず始めに、この記事はいたずらに不安をあおるつもりで書いているわけではない。その点をご理解の上、読み進めて欲しい。

 最近、新型鳥インフルエンザ関係の記事を良く見かけるようになったが、新聞などの記事を読み進めると、意外と信号が黄色になりかけている情況ではないかと感じた。

新型インフルエンザ:鳥インフルワクチン、1000万人事前接種へ
http://mainichi.jp/select/science/news/20080415dde001040044000c.html

 このニュースが異様なのは、新薬の認可が諸外国に比べて遅いと批判されがちな厚生労働省が、プレパンデミックワクチンを臨床試験として6000人に接種するというのだ。ちょっと考えられない事態だ。かなりあわてているように思える。それほどまでに、インフルエンザ・パンデミックが近づいているということなのだろうか?

 また、国立感染症研究所感染症情報センターのページにある、WHO 報告による鳥インフルエンザ感染者数推移をみる限りでは、徐々に増加傾向にあると言えるだろう。

WHOに報告されたヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例数
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/case200800/case080430.html

 感染症の流行について詳しいわけではないが、このような数値は、指数関数的な推移を示すのではないだろうか? 数値が小さいうちは変動も小さいが、ある時点を境に爆発的な増加に転ずる。

 今朝の某地方紙に、鳥インフルエンザが流行した場合、市民の通勤通学などの外出を規制した場合とそうでない場合の、感染拡大のシミュレーション結果が発表されたという記事が掲載された。外出し人ごみに入れば、それだけ感染拡大リスクが増大するということだ。

 記事にあった、感染拡大予想図(地図上の感染者拡大の様子)を見たとき、正直鳥肌がたった。不謹慎かもしれないが、映画「アウトブレイク」を思い出した。地方都市に突然出現した、未知のウイルスに立ち向かう軍医を描いた映画だ。国防省が感染拡大予想シミュレーションを行うが、またたくまに地図上を赤い丸がおおうというシーンがあった。それを思い出した。

 「アウトブレイク」は娯楽映画だが、もし、エボラ出血熱(劇中では、その亜種という設定になっている)が全米で大流行したら、というシミュレーションでもある。この映画の場合、突然ウイルスを持ち込まれては拡散を防ぎようがないという描写だったが、鳥インフルエンザの場合、まだ対策を講じる時間が残されているだろう。政府は、一切の情報を隠蔽することなく広く国民に開示し、粛々とウイルス対策を進めていって欲しい。