太陽の180億倍、観測史上で最重量のブラックホール発見
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080417-OYT1T00410.htm
そもそも全てを飲み込んでしまうブラックホールは直接観測できないそうだ。光をも飲み込むのだから、当然といえばそれまで。が、しかし、自然科学の基本は「客観的な観測データ」である。ブックホールの存在は、それ自体が周辺宇宙に及ぼす影響から「計算上存在する」と認定を受けている状況らしい。そこがブラックホールの面白さでもある。
さて、記事にあるブラックホールだが、観測史上最も重いそうだ。太陽の180億倍とは何キログラムなんだ、と、想像の枠をはるかに超えている。「観測史上」であるから、観測機器の性能向上に伴って、記録がどんどん塗り替えられていくであろうことは想像に難くない。
では、理論上最も重いブラックホールの重さはいったい何キログラムなんだろうか? 宇宙物理学を研究しているわけでもない身には見当もつかないが、シロウト考察で導くならば、宇宙がビッグバンで「始まった」時点の宇宙の重さが、理論上最も重いブラックホールの重さではないだろうか?
逆に、最も軽いブラックホールとはどんなものだろう? 理論上ではマイクロブラックホールは存在するが、すぐに「蒸発」してしまうらしい。「蒸発」の意味が分かりかねるが、とにかくそういうことらしい。ホーキング博士に解説してもらおう。
発見されたブラックホールは、別のブラックホールが周回軌道をとっているという点で、これもまた非常に珍しい天体と言えるのではないだろうか? 直径2兆キロを12年周期で回っているらしい。時速何キロなんだろう?
問題を単純化するために、直径2兆キロの正円軌道だとすると、算数でならった円周の計算式から、次のようになる。
軌道の道のりは、2兆キロ x π = 6.283兆キロ
12年は、秒数に換算すると、12 x 365 x 24 x 60 x 60 = 378432000 秒
距離を時間で割ると速度になる。
6.283兆キロ ÷ 378432000 秒 = 16603.2 km/s
おおう。秒速1.6万キロ。何か計算間違ってない? 光の速度が秒速約30万キロなのを考えると、それほどの数値ではないかもしれないが、実生活の尺度で考えればケタ違いな速度と言える。実際には長径を2兆キロとする楕円軌道だろうから、これよりは幾分は小さな値になるだろうけど、それでも相当にケタ違いな速度であることには変わりない。
宇宙っておもしろいな。
2008年4月18日金曜日
観測史上で最重量のブラックホール発見
ラベル: サイエンス
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