「ふくしまさん、ここの処理をみて欲しいんですが」
「はい、どこですか?」
「ここのイニタライズのとこなんですけど」
「は?」
「ここです」
イニタライズって何? 初めて耳にする単語の響きに何のことかぱっと思いつかず、指されたソースコードを凝視した。
「あぁ、あのさ、これイニシャライズ(Initialize)って読むのよ」
「あ、そうですか。そのイニシャライズの処理のなかの、エナブルがですね」
「ちょ、ちょっとまって。そのエナブルって何?」
「ここです…」
キーボード、カタカタ…。
「ああ、これさ、イネーブル(Enable)って読むのよ」
「あ、すみません」
「じゃあさ、これ(Disable)、何て読む?」
「…。ディザブルですか?」
「違います」
あのさ、プログラミングの勉強をがんばってきたとは思うけど、最低限の英単語の読み方ぐらいは習得しておこうよ。中学生レベルだろ、これ。
ゆとり教育の弊害ってやつですか?
【追記】
別の日。
「…で、そこを修正したらリターンキーを叩いて」
「……」
「ん? どした?」
「すみません、リターンキーってどこですか?」
「これ、これ!」
「これ、Enter って書いてありますけど…」
「ぐはっ!」
昔はな、昔はそこは Return って印字してあったんだよ。いつから Enter になったんだ? ブツブツ…。
2008年8月9日土曜日
イニタライズ
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